メドックのクリュ・アルティザン格付け
格付けの役割とは?
格付けは、ボルドーワインの世界を散策するときの地図のようなものです。品質の際立つワインを浮彫りにし、その土地の多様なテロワールを発見するための貴重な指標を与えてくれます。私たちの味覚にとっての案内役として、またワインそのものの価値を守る上でも欠かせない存在です
さらに詳しく
ここでは、高品質なワインと職人の技が一体となっています。
「クリュ・アルティザン」という概念は、かなり古くからあり、実に150年以上の歴史を持っています。19世紀、メドックの農村では、車大工、鍛冶職人、樽職人、大工、パン職人など、多くの職人たちが畑を所有し、自らブドウを栽培していました。この独自の営みは、固有の名称と格付けを授かるにふさわしい、優れたものでした。
格付けの基準は?
メドックのクリュ・アルティザンには、次の2つの条件があります。
他の格付けと異なる点
この格付けは、以下の5つのポイントによって独自のカテゴリーを構成しています。
・自らブドウを収穫し、栽培から瓶詰めまでの全工程に携わるワイン生産者たちが、この格付けの中心となっている。
・さらに、これらの生産者はワイン造り、販売、シャトーの経営全般も自ら行う。
・必然的に、比較的小規模のシャトーである。
・対象となるのはメドックの赤ワインのみ。他のテロワールには別の格付けが存在する。
・格付けは5年毎に見直される。
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格付けの対象は?
2022年から2026年までの5年間は、33のシャトーが格付けされています。
歴史の概要
メドックのクリュ・アルティザンは、公式の格付けとなる前に、まず「生産者たちの冒険の物語」として始まりました。自らの職人技、独立性、そして揺るぎない品質を世に示そうとした造り手たちの挑戦です。それは、情熱あふれる数名の生産者たちに支えられた、波乱に満ちた歩みでした。
1868年
「クリュ・アルティザン」の誕生
ガイドブック『クック&フェレ』が初めてこの名を使用しました。これが後の格付けの基礎となりますが、実現にはもうしばらく時間がかかります。
1930年代
「クリュ・アルティザン」の消滅
これら小規模生産者の一部は、戦争や経済危機の影響を乗り切ることができませんでした。それに伴い、「クリュ・アルティザン」という概念も次第に忘れられていきます。
1989年
クリュ・アルティザン・デュ・メドック組合の設立
1980年代、志ある若手生産者たちが、この格付けを再び取り戻すべく立ち上がり、組合が設立されました。
1994年
欧州による認定
欧州レベルで新たな進展が訪れ、ボトルのメインラベルに「クリュ・アルティザン」と表記することが公式に認められました。
2006年
初の格付け発表
フランス官報により、最初の格付け生産者として約40のシャトーが公表され、10年の有効期間が設定されました。
2017年
新たな規定
メドックのクリュ・アルティザン格付けは5年毎の更新制となり、5年に一度見直されることになりました。
2022年
最新の格付け
2026年まで有効のこの格付けでは、33のシャトーが選ばれました。