ワインの正しいサーブ方法
「ルールは時に破られるためにある」と言われますが、ワインの世界ではいくつか知っておいた方が良い指針があります。それらを順に見ていきましょう。
ワインをサーブするというのは、ただグラスに液体を注ぐだけの話ではありません。そんなに簡単なら苦労しませんよね。 ワインのサービスは一つの技であり、造り手の情熱と努力を引き立てる所作でもあります。ワインごとに、香りや質感を最大限に引き出すための特別な配慮が必要なのです。
ここで目指すのは、ワインサービスを美しく演出することです。とはいえ、テクニックよりも「楽しんでサーブすること」 をお忘れなく!
どのグラスを選ぶ?
非常に良い質問ですね。まずは、プラスチックや紙コップ、そして極端に小さなワイングラスは避けたいところです。
グラスの形は意外にもワインの味わいに大きな影響を与えます。香りの感じ方、口に含んだときの骨格や質感、タンニンの印象、アルコールの感じ方まで左右するのです。
おすすめ:
- ボルドーの軽めの赤ワイン:中くらいの大きさで、少し広がりのあるグラス。ワインが適度に空気に触れられるようにしましょう。
- ボルドーの力強い赤ワイン:底が広く、飲み口がややすぼまった形。しっかりと空気に触れさせつつ、香りを集中させます。
- ボルドーの辛口白ワイン & ロゼワイン:より細身で、少しカーブした形。フレッシュさや果実味を保つのに最適です。
- ボルドーのクレマン(スパークリング):フルートグラスが好きな方も少なくありませんが、実はあまりおすすめしません。香りを十分に引き出すには、香りが広がる細身のワイングラスが理想的です。フルートはワインが呼吸しにくく、逆にクープは香りが一気に逃げてしまいます。
最後に念のため。これは「最適なテイスティングのためのアドバイス」であり、最も大切なのは「自分が心地よく楽しめること」です。
ワインの理想的な温度とは?
ワインのバランスは、実に繊細なものです。その繊細さを左右するのが温度であり、わずかな度数の違いが味わいに大きく影響します。温度が低すぎると、味覚が鈍くなったり、風味が隠れたり、タンニンが固く感じられることがあります。逆に高すぎると、重たく感じられたり、だらっとした印象になりがちです。
温度によってワインの分子の動きが変化し、その動きが私たちが感じる香りや骨格、味わいに直接影響します。完璧な温度を毎回狙うのは難しいですが、温度がワインに与える影響を理解しておくことで、よりその個性を楽しむことができます。
以下は、ワインが本来の潜在力を発揮するために一般的とされる温度の目安です。
- ライトボディの赤ワイン:13〜15°C
- フルボディの赤ワイン、熟成向きの赤ワイン:16〜18°C
- 辛口白ワイン・ロゼワイン:8〜12°C
- 中甘口・甘口白ワイン:6〜8°C
- クレマン(スパークリング):6〜10°C
空気に触れさせるべきワインとは?
一般的に、特に若いワインは、香りの広がりを促し、赤ワインならタンニンをほぐすために、少し空気に触れさせると良いと言われています。その方法は2つあります。 一つは、サーブする数分前から数時間前まで、ワインをカラフェに移す方法。 もう一つは、グラスの中で軽く円を描くように回し、ワインに酸素を触れさせる「グラス内エアレーション」です。
若いワインなら問題ありませんが、熟成の進んだワイン(目安として10年以上)は、まず「ファーストノーズ」と「セカンドノーズ」を試すのがおすすめです。
ソムリエのコツ:
- 少量のワインをグラスに注ぎ、まずは回さずに香りを嗅ぎます(ファーストノーズ)。
- 次に、グラスを軽く回してワインを空気に触れさせ、再度香りを確かめます(セカンドノーズ)。
セカンドノーズの方が香り豊かで広がりがある場合は、カラフェに移すと良いでしょう。 逆に、香りが弱くなったりぼやけた場合は、ボトルに栓を戻し、そのままサービス時に注ぐ方が適しています。 少量ずつ注ぎ、グラスに空間を与えましょう。
ワインのサービスに順番はある?
珍しく、答えは「はい」です。ワインのサービスには、推奨される順番があります。 「軽いものから、力強いものへ」が基本です。 香りの強さ、味わい、テクスチャーといった要素を基準に、徐々に厚みのあるタイプへと進めます。
色の順番に関しては、皆さんの自由です。 その理由は、チーズに合わせて途中で美しい白ワインに戻る喜びを味わったことがある人には、もうお分かりでしょう。
最後にひとつだけ、覚えておきたいコツ
ワインを注ぐ前に、まずグラスの香りを確かめてみてください。グラスに思わぬニオイが残っていることもあるからです。何も問題なければ、あとはもう大好きなボルドーワインを最高の状態で楽しむだけです。